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第1章

はじめに

スマーケティングの威力
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はじめに

双方にとって有益なB2B向けカスタマージャーニーの構築

営業チームとマーケティングチームの連携により、ブランドの顧客体験と収益を大幅に向上させることが可能です。しかし、適切なツールや手法がなければ、営業とマーケティング(スマーケティング)を最適な形で連携させることは実質的には不可能だと感じるかもしれません。

このガイドは、パートナーシップ構築の手法をマーケティングチームと営業チームにご紹介し、顧客だけでなく社内のチームにとってもメリットのある顧客体験を創出することを目指して作成されました。

顧客起点のコラボレーションを促進し、マーケティングプロセスや営業プロセスの全ての段階で顧客に満足し続けてもらうためのスマーケティングのベストプラクティスや、実行可能な戦略について説明します。

バランスの良いB2B顧客体験を実現hubspot-instagram-b2b-2

デジタル体験により、製品やサービスについての情報収集、企業への問い合わせ、デモの確認を、顧客が簡単に行える世界が実現しました。プロスペクトは、ブランドや製品に関する無数の情報にアクセスできるようになり、問い合わせるチャネルやタイミングに関係なく、一貫したブランド体験を得られることを期待しています。

こうした潜在顧客は、従来のバイヤージャーニーに従い、オンラインでブランド情報を収集し、マーケティングEメールを受け取った上で、営業チームに連絡してデモの日程を決めるというプロセスを踏むかもしれません。あるいは、手軽に入手できる多様な情報を基に、独自のプロセスでコンタクトからSQL(営業がフォローすべきと認定された見込み客)に至る可能性もあります。例えば、マーケティングチームや営業チームから直接連絡がある前に実際の顧客のレビューを確認したり、Bottom of the Funnel(ファネルの最下層)向けのマーケティングコンテンツをダウンロードしたりするでしょう。

市場プレゼンス、製品やサービスのコスト、営業チーム単独での成果に頼ってビジネスの成功を実現していた時代は終わりました。そこで現代の営業チームとマーケティングチームに求められているのは、各チームの目標にのみ注力することではなく、チーム間で協力して、顧客の問題の解決や、バイヤージャーニーの段階に合わせた対応を行い、顧客を第一に考えた体験を創出することです。

営業とマーケティングを組み合わせ、さらに効果を発揮

営業チームの職務の本質は、プロスペクトを見極め、関係を構築し、目標の達成や問題の解決に役立つソリューションを提供することです。営業担当者は、現在および将来の顧客の成功に向けて全力を尽くす必要があります。プロスペクトの課題を理解し、その課題に対して自社の製品やサービスが最適なソリューションである理由を分かりやすく説明できなければなりません。

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しかし、営業チームがプロスペクトとの関係を構築し始める前に、ターゲットとすべき有望なリードの一覧が必要です。マーケティングチームの職務とは、市場に自社のソリューション情報を提供し、オーディエンスの共感を得られる方法で関心を促すことです。マーケティングは、人間の感情とデータ分析との間で慎重にバランスを取りながら行われています。これを基にブランドの情報を広め、関心を持ったコンタクトを有望なリードに転換して、営業パイプラインを活性化します。

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バイヤージャーニーの段階が進むにつれ、2つの部門間の境界線は曖昧になっていきます。デジタルマーケティングのコンテンツを読んで購買意欲の高まった人から営業チームが直接的に連絡を受ける場合もあれば、マーケティングチームがパイプラインの既存のリードに再度アプローチする場合もあります。

自社の条件に合わせて見込み客に効果的にリーチするために、マーケティングチームと営業チームは緊密に連携する必要があります。もはや、従来の営業やマーケティングの手法は実効性を失いつつあり、代わりに、部門横断的な連携やコラボレーションが、継続的な成長や最高の顧客体験を実現する鍵となっています。

スマーケティングとは?

「スマーケティング」という言葉は、HubSpotが2000年代初期に編み出したものです。今や広く知られることとなったこの概念は、その名の通り、営業チーム(Sales)とマーケティングチーム(Marketing)が緊密にコミュニケーションを取ることによって実現される両チーム間の連携体制(Smarketing)を指しています。

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スマーケティングでは、営業チームとマーケティングチームによる測定可能な目標を設定し、全員が責任を負い、自社の収益に貢献します。例えば、一定数のリードを創出して営業がフォローアップすべき場合、両チームが協力して、マーケティングに関するリードのSLAを定義することもできるでしょう。

スマーケティングを行うと、営業チームとマーケティングチームは以下のことを実現する基盤を構築できます。

  • それぞれの目標や共通の目標に協力して取り組み、顧客体験を向上させる
  • SLAに双方が合意して、両チームの責任範囲を管理および維持する
  • 毎月目標を見直して、両チームの改善の余地を特定する
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スマーケティングの導入後も、チームごとのKPI(重要業績評価指標)は設定されますが、最終的には両チームが連携してチーム間の摩擦を減らし、顧客中心主義を推進しましょう。スマーケティングの基盤は透明性にあります。共通の目標とチーム固有の目標については、いずれも率直に話し合われるべきであり、顧客体験に根ざしたものにする必要があります。

スマーケティングのメリット

  • 確度の低いリード数の減少
  • 成約率の向上
  • 購買サイクルの短縮
  • 成約の簡素化
  • 顧客維持率の向上
  • 収益拡大の迅速化

適切に運用すれば、こうしたコラボレーションは一貫した顧客体験を創出し、両チームの協力によって見込み客を惹きつけ、信頼関係を築き、顧客を満足させることができます。

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